<山に近づいて初めて山の高さを知る>

10年ほど前のことになるが、梅澤さんが『来年は30になるので、一般への出場はやめて、サーティースに出場することになります』と言ったことがあった。僕は『えっ』と強いショックを受けた。そして、『僕と一緒に一般で優勝を目指しましょうよ』と言ってしまった。

梅澤さんは『全日本に出場するようになってから「山に近づいて初めて山の高さを知る」ということを実感した』と言った。『全日本トップのレベルが想像以上に高いと言いたいのか』と考えていると、『全日本に出場したことがない渡辺さんには分からないと思いますが、全日本トップの人のレベルは想像を絶するようなレベルです』と続けた。梅澤さんが言うからには間違いないと思ったが、『僕は天才です。やるからには全日本優勝を目指します。一緒にやりましょうよ』と食い下がった。梅澤さんは『東洋医学で世界のトップでも、いくら頭がよくても、それは無理です。卓球はスポーツで、学問ではありません』と言った。そして、それから10年梅澤さんに負け続けたのだ。

しかし、今回は、『全日本で優勝するのは時間の問題だと思いました』と言っても、梅澤さんはあまりのショックのため言葉が出ないようなのだ。『この前電話したとき、編集していないビデオがないか聞いたでしょう』と言うと、『そうだった?』と梅澤さんは言った。『編集していないビデオはあったんです。篠塚大登のパリ五輪日本代表選考会の1回戦のビデオです。そのビデオを見ていると1時間ごとに動体視力が落ちるのが分かるほどすごい勢いで動体視力が落ち始めたんです』と説明した。

梅澤さんが何も言わないので、『サーブは200本ぐらいなら連続して入れられるのですが、昨日サーブが入らなかったのもこのせいです』と言って両腕を内側に捻って左右の下腕の違いが見えるようにした。そして、右手の人差し指で、左下腕の一直線に毛むくじゃらになっているところを指して、『ここに心経と小腸経が平行して流れているのですが、この部分の筋肉が2歳の時の肺炎のため骨化してしまっているのです。肝機能が上がって皮膚や筋肉、内臓が緩んで機能が上がっても、この部分が緩まないため心臓の機能が上がらないので、相対的に心臓の機能が足りない状態になってしまうのです』と説明した。梅澤さんは黙って聞いていた。『僕もプロなのでこの部分を緩めることはできるのですが、そうすると他の部分も緩んでしまうので、心臓の機能が相対的に低下している状態は変わらないのです。実際、心臓の相対的な機能低下は今でも進んでいます。サーブが入らないのも、動体視力が低下し続けているのも、この部分が骨化しているためです』と説明した。梅澤さんが何も言わなかった。『でも、あきらめたわけではありません。ところで、来月試合はできるのですか』と聞くと、『8月はフォーティースの試合があるので、試合はできません』という返事が返ってきた。

2022/7/15
※心機能が低下しているため、心臓が悪い人に悪影響が出るといけないので、英作文.netの気を抜きました。そのため、英作文.netのパワーが落ちていますが、100問連続正解による脳を緩める効果は以前と変わりません。